UPAA協定大学にはイギリス 20大学、アメリカ 15大学、オーストラリア 3大学、カナダ 2大学、アイルランド 1大学、ニュージーランドに1大学あります。ここでは、大学への入学方法や、教育制度が日本と異なる点についてご説明いたします。
UPAA海外協定大学は、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの6か国から構成されています。各国それぞれに教育制度が異なるため、国や大学によって大学への入学方法(タイプ)が異なります。入学方法は、大きく分けて3つあり、大学準備課程にあたる「International Foundation」、大学1年生に相当する「Undergraduate Pathway」、「International Year One」、そして現地学生と同じように大学に直接入学する「Direct Entry」があります。ここでは、入学タイプの違いと、国別入学タイプをご案内します。
International Foundation(インターナショナル・ファウンデーション)(FDN)は、イギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドの協定大学の入学方法の1つです。FDNは学士課程で必要となる専門分野の授業で構成されています。アカデミック英語と専門分野の授業は相互に連携しており、大学進学後に必要な専門分野の知識・見識やスキルを学びます。日本との教育制度の違いから、日本の高等学校卒業生は、FDNを経て、大学1年生に進学するのが一般的です。FDNで所定の成績を修めると大学1年生(学士課程)に進学します。 FDN 1年+学部課程3年の計4年で学士号を取得します。
International Year One(インターナショナル・イヤー・ワン)(IYO)は、イギリス・アイルランド・オーストラリア・ニュージーランドの協定大学の入学方法の1つです。IYOは、その国の大学教育をスムーズに履修できるように編成された、現地学生の大学1年次に相当するカリキュラムとなっており、初年度は、アカデミック英語、スタディスキル、専門分野を並行して履修します。各授業は相互に連携しており、大学の授業を履修するのに必要なスキルを身につけ、所定の成績を修めると第2学年に進級します。IYO履修科目の一部が卒業単位として認められますので、高等学校卒業後、3年間で学士号が取得できます。 前項の通り、日本の高等学校卒業生は、一般的にFDNを経て(大学の)第1学年に進学しますが、日本の教育の質の高さから、一部の協定大学・専攻課程においては、IYOへの入学を認めています。
※スコットランドでは学年制の違いによりIYO(スコットランドでは、Year Twoと呼ばれます)修了後、大学3年次に進級します。(イギリスと同様に計3年間で学士課程を修了します)
Undergraduate Pathway(アンダーグラデュエイト・パスウェイ)(Pathway)は、アメリカ、カナダの協定大学への入学方法の一つであり、その国の大学教育をスムーズに履修できるよう留学生向けに編成された大学1年次相当のカリキュラムとなっています。初年度は、アカデミック英語、スタディスキル、学部教科を並行して履修し、大学の授業を履修するのに必要なスキルを身につけた上で、第2学年に進級します。(Pathwayで取得した科目はすべて卒業単位として認められます。)※アメリカの「International Year One」は2023年度より「Undergraduate Pathway」に改称されました
アメリカの協定大学では、アメリカ人学生と同じ入学方法である「アンダーグラデュエイト・ダイレクト(Direct)」も受け付けています。ダイレクト(直接入学)では、Undergraduate Pathwayに比べ、高い英語力(TOEFL iBT77点/IELTS6.0以上)やGPAが入学要件として、課されます。さらに、Directの場合エッセーや推薦状、SATなどが求められるケースがあります。
FDN / Pathway 4年間で卒業 |
IYO 3年間で卒業 |
Direct 4年間で卒業 |
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イギリス (スコットランド以外) |
〇 | 〇※ | |
イギリス (スコットランド) |
〇 | 〇※ | |
アイルランド | 〇 | ||
アメリカ | 〇 | 〇 | |
カナダ | 〇 | ||
オーストラリア | 〇 | 〇※ | |
ニュージーランド | 〇 |
※一部大学・専攻のみ
イギリスでは、5~11才の6年間が初等教育、12~16才が中等教育、17~18歳が後期中等教育の、6-5-2制(計13年間)となっています。初等・中等教育(11年間)が義務教育で、16才で義務教育を修了すると、GCSE(General Certificate of Secondary Education)という義務教育修了試験を受けます。義務教育終了後、大学進学希望者はシックスフォームと呼ばれる高等教育進学準備教育課程に進みます。(日本の高校はこのシックスフォームといわれる学年に相当します)大学への進学は、GCSEの結果とシックスフォームでの成績によって合否が決定されます。
イギリスの学部課程は一般的に3年間、修士課程は1年です。
※スコットランドは英国の他の地域とは異なり、スコットランド独自のカリキュラムが編成されています。プライマリースクールが7年間、セカンダリースクールが6年間となっており、うち、義務教育は5歳から16歳までです。(セカンダリースクールの4年生まで)大学進学を希望する場合は5年、6年へ進みます。大学は4年制となります。
※イギリスの教育制度詳細については、こちら(文部科学省発行資料)【イングランド・ウェールズ・北アイルランド】【スコットランド】をご参照ください
イギリスと日本の教育年数の違いから、日本の高校卒業後にイギリスの大学に進学する場合は、1年間(実際は9ヶ月)の「International Foundation(ファウンデーション)」という留学生のための進学準備課程を経て入学するのが一般的です。しかし、一部の協定大学では、1年次から現地の学生と一緒に学部課程の授業を履修でき、計3年で学士課程までを修了する「International Year One(インターナショナル・イヤー・ワン)」という特別な大学編入準備課程が用意されています。
入学コース:
1. International Foundation
2. International Year One
※スコットランドの大学は4年制ですが、ファウンデーションコース修了後、大学2年次に進級するため、計4年で学部課程を修了します。
EU諸国の一つであるアイルランドでは、日本の小学校にあたる初等教育は6歳から6年間あり、日本の中学校にあたる前期中等教育は初等教育を修了した生徒を対象に3年間行われます。日本の高等学校にあたる後期中等教育は前述の中等教育諸学校の第 10〜11学年(2年間)行われますが、第10学年には任意の選択による、進路選択のためのプログラムである「移行学年」(1年)が設けられています。選択した生徒は後期中等教育3年となります(選択しない生徒は2年)。義務教育は6歳から16歳の10年間です。
日本でいう大学にあたる高等教育は学士課程(普通学士3年、優等学士4年)、1〜2年の修士課程、3〜4年の博士課程があります。
※アイルランドの教育制度詳細については、こちら(文部科学省発行資料)をご参照ください
アイルランドもイギリスと同様に、日本の教育年数の違いから日本の高校卒業後にアイルランドの大学に進学する場合は、1年間(実際は9ヶ月)の「International Foundation(ファウンデーション)」という留学生のための進学準備過程を経て入学するのが一般的です。
入学コース: 1. International Foundation
アメリカの教育制度は、州によって異なりますが、小学校5年・中学校3年・高校4年の5-3-4制、または小学校6年・中学校2年・高校4年の6-2-4制などがあり、高校までの12年間が義務教育です。アメリカの大学は日本と同様に公立・私立があり、4年制大学(総合大学)、2年制短期大学(Community College)、専門大学の3種類があります。
※アメリカの教育制度詳細については、こちら(文部科学省発行資料)をご参照ください
アメリカの大学進学には、2つの方法があります。
一つは、ダイレクト(直接入学)と呼ばれる、アメリカ人学生と同じ入学方法です。もう一つは、大学1年次にアンダグラデュエイト・パスウェイ(Pathway)のコースに入学し、所定の成績を修めた後、大学2年生に進級する方法です。
Pathwayコースの学生も、直接入学の学生と同様に正規の学部学生として入学しますので、学生証が発行され、大学内の施設も制限なく利用できます。
カナダは連邦政府には教育省(日本でいう文部科学省)はなく、各州政府の教育省によって管理・運営されています。義務教育の年齢も州によって異なりますが、一般的には6歳または7歳~16歳までとなっています(州によっては 5 歳から始まる州や 18 歳で終了する州もあります)。初等教育・中等教育の区切り方も州により異なります。カナダの高等教育は、大学(University)やカレッジ(College)において提供されています。数校を除き、すべて州立大学です。大学は、取得できる学位の種類によって、学部大学、総合大学、博士大学の 3 つに分けられます。学部大学は学部課程の教養科目を提供しており、大学院はありません。総合大学は学部と大学院を併設した大学です。博士大学は専門分野での研究に力を注いでいるスペシャリストを養成する大学です。カレッジにはコミュニティ・カレッジとユニバーシティ・カレッジの 2 つがあります。
※カナダの教育制度詳細については、こちら(文部科学省発行資料)をご参照ください
カナダの大学へは、大学1年次にアンダグラデュエイト・パスウェイ(Pathway)のコースに入学し、所定の成績を修めた後、大学2年生に進級する方法があります。
Pathwayコースの学生も、直接入学の学生と同様に正規の学部学生として入学しますので、学生証が発行され、大学内の施設も制限なく利用できます。
入学コース: 1. Undergraduate Pathway
オーストラリアの教育は州ごとに裁量権があるため6州それぞれのルールに沿って行われていますが、共通点も多く、ほとんどの州では6~16才の10年間が義務教育です。学校教育は13年間行われ、初等教育は7~8年間、中等教育は5~6年間ですがそのうち15歳までを前期中等教育、16・17才が後期中等教育(日本でいう高校)となっています。
後期中等教育修了時には州内統一の修了試験が行われ、その試験の結果と日頃の成績に基づき、高等教育(日本でいう大学)への進学要件となる後期中等教育修了証が与えられます。
オーストラリアでは、後期中等教育でいわゆる一般教養科目を修了するため、大学1年次から専門分野の科目を履修します。専門課程からのスタートとなるため、現地学生は学部課程を3年間で修了します。また、修士課程(大学院)でも大学や専攻により1年、1.5年、2年間の様々なコースがあります。学部課程での履修内容やインターンシップの有無により、修士課程への入学基準が不足する場合は、Graduate CertificateやGraduate Diplomaコースを経由して修士課程へ進学することもできます。
※オーストラリアの教育制度詳細については、こちら(文部科学省発行資料)をご参照ください
前述のように、オーストラリアでは後期中等教育課程で一般教養を学ぶため、教育制度が異なる海外からの留学生には、大学の学部課程入学前の留学生向け準備コースが準備されています。このコースでは大学で必要となるアカデミックスキル養成のための学習や専門分野を深く学び、基礎固めをすることを目的として設計されています。このコースを所定の成績で修了することによりその大学の学部課程入学が認められます。
一部の協定大学では、1年次から現地の学生と一緒に学部課程の授業を履修でき、計3年で学士課程までを修了する「International Year One(インターナショナル・イヤー・ワン)」という特別な大学編入準備課程が用意されています。
入学コース:
1. International Foundation
2. International Year One
ニュージーランドの教育制度は、基本的に幼児教育、初等教育、中等教育、高等教育の4つに分けられます。基本的に初等教育は Year1(満5歳)から Year8(12歳) の8年間ですが、5歳の誕生日を迎えると初等学校及び地域学校に入学できることがニュージーランドの特徴です。初等教育を修了すると、中等教育であるセカンダリー・スクール(Secondary School)に進学します。セカンダリー・スクールは Year9(13歳)から Year13(18)までの5年間ですが、義務教育は6歳~16歳の10年間です。高等教育(いわゆる大学)は3年〜6年の学士課程、2年の修士課程が置かれています。
※ニュージーランドの教育制度詳細については、こちら(文部科学省発行資料)をご参照ください
ニュージーランドと日本の教育年数の違いから、日本の高校卒業後にイギリスの大学に進学する場合は、1年間(実際は9ヶ月)の「International Foundation(ファウンデーション)」という留学生のための進学準備課程を経て入学するのが一般的です。
入学コース: 1. International Foundation