自己紹介とUEA 政治学・哲学・言語学・コミュニケーション学部の紹介をお願いします
先生:皆さん、こんにちは!私はイースト・アングリア大学で国際関係と日本外交政策を教えている准教授のラー・メイソンです。主に東アジア、特に日本に焦点を当てた国際関係を教え、また研究しています。最近、私はアメリカ、北朝鮮、中国との関係について書きました。また現在は、日本、中国、台湾、そしてより広範囲のインド太平洋間で火種となっている沖縄の島々に焦点を当て研究しています。
UPAA: 国際関係学を学ぶとはどういうことですか?学生は主に何を学びますか?
先生:国際関係学を学ぶということは、権力と思想を研究することであり、それは主に、国際構造と呼ばれる定められた構造の中で、各国がどのように相互に影響し合うかを研究するものです。これには、日本、韓国、イギリスといった伝統的な国家も含まれます。さらに、多国籍企業やNGO、特定の個々の指導者や活動家など、重要性を増してきている非国家的主体なども含まれます。私たちは、これらの国家や組織がどのように行動し互いに関わり合うのか、そして、その成果や結果は何なのかを批判的に理解、分析しようと努めています。
UPAA: なぜ学生は国際関係学を学ぶべきなのでしょうか?
先生:国際関係学を学ぶことは、世界がどのように機能しているのか、そして世界をより良くするためには何を変える必要があるのかについて、より深く理解することの助けとなります。国際関係学は、多くの面で紛争を予防し平和を促進する学問であり、もしあなたがその一翼を担うのであれば、それは世界にとってとても建設的な貢献となります。国際関係学を学ぶ理由は他にもたくさんあります。この研究主題は、私たちの政治の世界を形づくるものや、自然界をもまた理解するのに役立ちます。国際関係は資源や環境に大きな影響を与えるからです。また、世界が時代とともにどのように変化してきたかを知るのにも役立ちます。かつて私たちの世界は、第二次世界大戦後の資本主義と共産主義というイデオロギーによる二極構造をしていました。そのような時代から抜け出すにつれ、物事はよりダイナミックになり、最近ではドナルド・トランプやウラジミール・プーチンのような人々が権力を握るアイデンティティー・ポリティクスが見られるようになりました。国際関係学は歴史を研究する学問ではなく、歴史的な背景、現在、そして未来を対象とする学問です。国際関係学を選ぶ最後の理由は、専門的な仕事をしたり、旅行したり、さまざまな国や文化の人々と知り合ったりするといったさまざまな分野で、この学位が多くの機会へとつながることです。他の学位や職場環境では得られない情報やアイデアに触れることができるのです。
UPAA: 学生にどのような特徴や資質を求めていますか?
先生:重要な資質のひとつはクリティカル・シンキング(批判的思考)ですが、入学前に優秀なクリティカル・シンカーである必要はありません!コースが進むにつれ、クリティカル・シンキングは重要なスキルとなります。本や新聞に書いてあることが正しいことだと単純に受け入れるのではなく、批判的に取り組むことを学ぶのです。もうひとつ私たちが求めているのは、多くの資料を読んだり、見たり、それに取り組んだりする意欲を持って、国家がどのように機能しているかを理解しようとすることです。最後に、絶対に必要ということではありませんが、他人とコミュニケーションをとり、仲間や教授とも議論や会話をするのが好きな人であろうとすることは、有利に働くでしょう。
UPAA: 国際関係学を学ぶことについてよくある思い違いには、どのようなものがありますか?
先生:最大の思い違いは、国際関係学は左翼や右翼政治に関するものだということです。私たちのところへ来る学生の中には、少数ですが、非常に強い固定観念を持ち、どちらか一方に断固とした立場を持つ人もいます。例えば、非常に左寄りで、例えば、富の分配に重点を置く人もいたいり、非常に右寄りでナショナリストだったりする人もいます。彼らは、国際関係学を自分たちのイデオロギーを推進する活動家や政治家になるための道具だと考えているのかもしれません。それがあなたの立場だとしても、私たちに加わることを排除したりはしません。しかし、この学問の核心であり私たちの主な仕事は、アナリストとしてさまざまな考え方に取り組むことです。もうひとつの思い違いは、このコースは数学的手法で習得しなければならない非常にテクニカルな分析で満ち溢れているというものです。私たちのコースには、ある程度の数学とビッグデータや統計の分析が必要なとする定量分析といったものもありますが、本課程で学ぶスキルはもっと多岐にわたるのです。
UPAA: 国際関係学の学生はどのような施設を利用できますか?
先生:学究生活や社会生活を送る間、キャンパス内には素晴らしい施設がたくさんありますが、国際関係学を学ぶ学生にとって、UEAの図書館は最も重要な資産の一つです。UEAの図書館では、無料のオンラインではで利用できないような専門的な資料に幅広くアクセスすることができます。これには、定期刊行物、専門文書、電子書籍、書籍からの抜粋など、学生のために無料で提供されているものが含まれます。これは、プロのアナリストや政治家、外交官が利用するような情報であり、当ライブラリーを通じてそのすべてにアクセスすることができます。また、学者たちへのアクセスも可能です。当校の学者は様々な専門分野を持っており、その分野で最も優秀な人たちから学ぶことができます。また、当校には録音・編集機器を含む素晴らしいメディア、放送、ポッドキャスティング設備があり、多くの学生が学位課程の中で利用しています。
UPAA: ファカルティ(学部)では学生に対してどのようなサポートがありますか?
先生:プログラムの間、多くのサポートを受けることができますが、まずクラスの人数についてお話ししましょう。各セミナーの定員は20人以下で、よりインタラクティブな時間を掘り下げたディスカッションのために持つことができます。また、オフィスアワーが設けられており、コースやモジュールのオーガナイザーと1対1の教授やアドバイスを受けることができます。当校にはアカデミック・アドバイザー制度があり、すべての学生が学問上の問題について誰に相談したらいいか分かっています。UEAのあらゆる場所で、大学の学生サービスチームによる専門的なサポートがあり、学習スキルのサポートはもちろん、メンタルヘルスや福利、留学生サポート、宿泊、経済的サポートなどが、キャンパスの真ん中にあるサポートセンターで受けられます。
UPAA: 国際関係学の学位取得後の一般的な進路にはどのようなものがありますか?
先生:それが実際、一番エキサイティングなところです!進路は非常に多様で、最近では卒業生が国会の役職についたり、赤十字で指導的な立場で働いたり、外交官になったり、国連やNATOで働いたり、その地域で活動したりしています。また、小規模のNGOやNPOで素晴らしい仕事をしている卒業生もいます。具体的な例を挙げると、最近の卒業生の中には、ベルギーのブリュッセル(欧州議会の所在地)にあるEuropean Institute for Asia Studiesという小規模で専門的なシンクタンクで働いている人がいます。他の専門家や外交官に囲まれながら、さまざまな分野の人たちが集まるイベントも多いブリュッセルの中心部で働くという、素晴らしい仕事です。非常に競争率の高い就職市場なので、それなりの準備が必要ですが、UEAのキャリアサービスが就職先を探すプロセスを指導してくれます。また、ファカルティのスタッフからのアドバイスも受けられます。個人的には、国際関係の中で特に興味のある分野を学位課程の間に見つけ、戦略的にスキルや知識を身につけて専門性を向上させることがいいと思います。外交官になりたいとか、国連で働きたいというのであれば、卒業後ではなくコースの2年目から考え始めるべきです。
UPAA: 国際関係学部卒業生の将来の雇用機会はどのようになると予想しますか?
先生:20年後の卒業生の進路を考えた場合、間違いなく人工知能と密接に連携しているはずです。将来にわたって、世界がどう動くのかという仕組みの中心は人間です。AIが進歩すればビッグデータを管理するようになり、人間は分析や政策の部分に集中することになるでしょう。クリティカル・シンキングと分析スキルは、20年後にはさらに重要になるでしょう。アナリストは政治的な大きな決断を下す必要があるため、その役割は政府の中枢を担うことになるでしょう。将来的には、国際関係論のバックグラウンドと、環境問題やスポーツ、メディア、天文学といった自分の興味のある分野での第二の専門性を持つことが重要になると思います。二重の能力を持つことは、本当に貴重なことになります。将来的には、複数の分野の知識やスキルを必要とする仕事が増えると思います。もうひとつは変わると思うことは、複雑性が増すことです。あなたは将来、複雑さと競合的な種類のデータの中で、地域社会、最終的には国家やその先の世界に利益をもたらすような決断を下すことができる人になるかもしれません。それは働くのに常に魅力的な分野であり、将来、卒業生が成し遂げるものを見るのが楽しみで、ワクワクします。
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